2005年9月26日月曜日

タクシーのおやじ

先日タクシーに乗った際、びっくりするほどよく喋るおやじに遭遇した。
「初めて会うお客さんに、こんな事言うのも何なんだけど」と始まり、自分の身の上話をはなし始めた。
聞く所によると、おやじは23年結婚していた女房、子供に2年前出て行かれたらしい。家も家財も金も全部無くし、おやじは体一つで生きていた。そこへひょんな事から3つ年下の彼女が出来た。私が言うのも何だが、おやじは決してハンサムではない。
本人も「何故こんな俺なんか」と思っていたが、彼女はそれはそれは良くしてくれるらしい。しかも彼女はおやじに新車を買い与えてくれたというのだ。さすがに私も驚き、「おやじが彼女に買い与えた、という間違えでは・・」と、一語一句漏らさず話を聞いていたが、間違いはなかった。「5日に納車さ~」と、おやじはルンルンであった。
そうこうしてる内に、目的地に到着した。メーターを見ると、料金が出てないので、「はて?」と思っていると、おやじが「あ!」と叫び、「メーター倒すの忘れてた・・」と言った。
「浮かれてるからだよおやじ・・」と思っていると、「600円でいいよ・・」と言われ、思わぬ所で得をした。新車を買ったと思えば、安いもんであろう。

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