2005年9月16日金曜日
秋刀魚
初めてイタリア料理を食べに行ったのは、大学生の時だった。夜に食事に行くのは、焼鳥屋か居酒屋だった私にとって、洒落たイタリア料理店は物凄く新鮮で楽しかった。
適当に色々頼んだ所、店員さんが、「パスタを2品頼まれてますが、同じトマトソース味なので、よければ違うのになさいますか?」と言った。
私は連れと、「おおお、なるほど」と頷き、そういう事であれば変えようと、何か違う味にしたのを覚えている。いつも行っていた居酒屋の親父は、ザンギとチキンカツを頼んでも何も言わなかったが、イタリア料理ってのは気が利くなと思った。
そこで「いわしのマリネ」を前菜で食べた。それにはバケットも付いていて、「パンに乗せて食べても美味しいですよ」と店員さんに言われ、食べてみると非常に美味しかった。
次にまたその店に行った時、「いわしのマリネ」を頼もうと思ったら、メニューに載っていなかった。店員さんに聞くと、人気がないからメニューから外したと言っていて、物凄くがっかりしたものだ。
そんな事を思い出し、秋が来ると、いわしではないが、秋刀魚を使い、マリネにし、ガーリックトーストに乗せて「さんまのマリネのブルスケッタ」として出している。私の大好きな一品である。
ナカイも好きであるらしく、「家で作れるかな?」というので、「オマエには無理だ」と言ってやり「材料代と手間賃込みで5千円で、秋刀魚1ケース分作ってやるか」と冗談で言った所、飛び上がって喜んでいたので、慌てて「やる訳ないじゃん」と訂正した。するとがっくり肩を落とし、「ヤス~」とヤスに頼みに行っていた。
面倒臭い事に巻き込まれたヤスは、「作り方知らない」と嘘をついていた。
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