2005年9月23日金曜日

火事


実家の近所で火事があったらしい。
幸い怪我人はなかったそうだが、知人の家が火事になるというのは、やるせない気持ちである。

私が今のマンションに引っ越したばかりの時にも、火事騒動が起きた。
夜の1時過ぎ頃に、非常ベルがけたたましくなった。「そのうち収まるだろう」と、引き続き私はテレビを見ていたのだが、一向に収まる気配がない。仕方なしに自分で管理会社に電話をし、「非常ベルが止まらない」と言うと、「多分誤作動だと思います、臭いとか煙とかって無いですよね?」と言われ、はっとした。
あわてて窓を開け、ベランダに出てみると、物凄い異臭がし、下の階の方から煙がもくもくと上がっていた。
「終わった・・」と思い、慌てて貴重品を持ち、逃げようと思った。引越しと同時に新しく買ったパソコンを、最後まで持っていくかどうか迷ったが、周囲の人に「あいつはどこまでがめついのか」と思われるだろうと思い断念した。
エレベーターは封鎖され、非常階段で逃げた。他の人も続々と逃げていたが、状況は把握していない様であったので、「火事だ、火事だ」と、私がでかい声で言ってやった。
しかし火事だと自分で騒ぎながら、119に電話していない事に気付き、またもや自ら電話した。
消防車が何台も到着し、消防隊員の人に「通報した人は誰ですか?」と言われたので、また私がしゃしゃり出て行く事になった。状況を説明すると、消防隊員の人達は階段を駆け上がって行った。
するとあっさり戻って来て、「皆さん大丈夫です。部屋に戻っていいですよ」と言われた。「原因はなんだったんですか?」と尋ねると、「鍋を焦がしたそうです」と言われた。鍋を火にかけたまま、うたた寝をしてしまい、部屋中煙だらけになったので、ドアを開けたら非常ベルがなったというのだ。
その当事者は部屋から一歩も出てこなかった。そりゃそうであろう。そして、消防に通報をした私も何となく気まずい感じであり、心底「パソコンを持って逃げなくて良かった」とも思った。
部屋に戻ると消防の人が尋ねてきた。「今回の通報、誠にありがとうございます。今後も何かありましたら迅速に通報願います」と言われ、少々自信を取り戻した。「そうだそうだ、何かあってからでは遅いのだ」と自分に言い聞かせ、床に就いた。

翌日、玄関に一通の手紙があった。開けて見ると、「お鍋を焦がしてごめんなさい」と、物凄く汚い字で書かれ、ビール券が数枚入っていた。

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